工事現場見学と設計内容の説明について

本日(2013/3/17)、米子市公会堂利用促進の会として工事現場見学をさせていただきました。

ホワイエ、ホール内やステージなど見学して写真撮影もさせていただきましたが、ネットへの公開は遠慮ください、とのことで残念ながらそのままはお伝えできません。
写真をご覧になりたい方は個別にご連絡ください。

現状は、外観はまだ変わっていませんが、内部は工事が進んでいます。
ホール、ホワイエ、楽屋ともの絨毯や椅子がなどが撤去され、床がコンクリートむき出しになっています。
そしてホール内は天井に届くまで足場が組まれ、大きなジャングルジムに占領されているようでした。
これから天井を撤去するそうです。

設計とスケジュールを日建設計と鴻池組の責任者から説明いただきましたので、まずは設計についてまとめてみます:



 ■重視されていることは「耐震補強」と「村野藤吾の意匠を維持」の両立です。


■耐震補強のポイントは

 1.従来の天井屋根は構造が脆弱である。
   天井は撤去して、地震時に支えになる強い構造の天井を作り直す。
   地震時に新しい天井にかかる力は2Fの前壁に伝える。

 2.従来の構造では前壁にかかる力も支えられない。
   そこで、ホワイエとホールの仕切りとなる壁を厚い壁に変えて、そこを支えとする。
   つまり、天井の力を2F前壁に伝え、さらにこの1F仕切壁を通じて地面につなげる。
   (現在、現場ではこの仕切り壁が撤去された状態でした。)

 3.従来の後壁も脆弱で地震に弱い。
   そこで、後壁と、後ろの楽屋棟を連結して構造を強化する。
   楽屋棟は高さが低いので、後壁の高い部分を補強するために後壁の柱を増強する。

 4.こららの補強により、現在のIs値0.15が0.65以上になる。
   必要とされる強度より25%以上大きい。



■村野藤吾の意匠を維持するポイントは

 1.外壁の特徴的なレンガタイルは可能な限り現物をそのまま使う。
   ただし、全てのタイルに剥がれ防止のピンを打って補強する。
   破損したタイルや風合いが違うタイルは当初のものに近いタイルに張り直す。
   そのために現在、石州瓦のメーカーとレンガタイルを検討中である。

 2.特にデザインが特徴的なファサードやホワイエには柱や壁を追加しない。
   耐震補強でホワイエとホールの仕切り壁を補強するのも、ファサードやホワイエは
   現状維持するための工夫である。

 3.天井を撤去するが、現状と同じ意匠で再構築する。
   しかし現状の天井の曲面が複雑で測量しにくいので、3Dレーザースキャナーを使って
   曲面を測量して再現する。


■その他のポイントは

 1.音響試験やシミュレーションを繰り返し、音響は現状維持またはそれ以上とする。
   生音の響きは現状の評価が高いので、現状の残響時間や音圧分布を再現する。
   外の音(前を通る車の音など)の遮音性能は高くする。

 2.空調や照明、スピーカーなどは新しい機器に更新する。
   世代が新しくなるので基本的に性能が良くなる。

 3.その他の設備は、予算に応じて可能な範囲で更新する。
   反響板や緞帳は現状維持とのことで、現在は大きな青いシートで養生されていました。


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